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プロジェクトの成功条件

概要

目標を達成するため、準備フェーズをどのように整理し、時間を有効に使うか説明します。 デザイン思考の手法を準備フェーズでどのように適用するかを学びます。

詳細(ビデオ)

貴社のリソースとPegaまたはパートナーのリソースで構成されるデリバリーチームが貴社の拠点で初めて会うときから、準備フェーズが始まります。

その時点で、マイクロジャーニーの優先順位付け、MLPの定義、ケースタイプバックログの作成が完了しているはずです。最初のマイクロジャーニーのデリバリーを行う準備が整いました。

準備フェーズでは、デザイン思考の手法を用いて、コンセプトまたはビジョンを明確に定義されたモデルにし、機能するプロトタイプとして見せられるようにします。

準備フェーズは、ソリューションをチームとしてデザインする共同作業が中心の活動です。

一般的に、準備フェーズは1週間から2週間です。数日のこともあれば、複雑な問題の場合は3週間ほど続くこともあります。準備フェーズの長さは、MLP1のバックログのサイズや問題の定義の明確さなどさまざまな要素によって変わります。

Pegaのアプローチは、あらゆるサイズのプロジェクトに柔軟に対応できます。

なぜ準備が必要なのでしょうか。

準備は、成功に向けてプロジェクトの手はずを整える機会です。

準備フェーズでは、デザインスプリントを実施してデザイン思考の原則を適用し、問題またはゴール(目標)を定義して、最適なソリューションを選択します。これは、効果の弱いアイデアを排除して、有力で革新的なアイデアにフォーカスするために重要なことです。デザインスプリントは必ずしも必要なわけではありません。問題が簡単に解決できるときや、明確に定義されているときは、デザインスプリントが必要でない場合があります。問題が複雑で明確な定義がない場合は、デザインスプリントを含める必要があります。

デザインスプリントでは、プロジェクトの基盤を構成する実行可能なプロトタイプモデルを作成してテストします。

チームでどのようにソリューションをデリバリーするのかを計画します。最初のマイクロジャーニーを迅速にデリバリーできるように互いに挑み合い、すべてを1回の大きなリリースで提供するのではなく、定期的なリリースを矢継ぎ早に行って後続のマイクロジャーニーをデリバリーするようにします。

このフェーズでは、プロジェクトの基盤を構築します。準備フェーズでは、チームの連携の仕方についてアプローチを定め、スコープと成果を全員が理解していることを確認します。妨げとなる要因や依存関係に対処し、ガバナンスモデルを確立して、イネーブルメントプランを実行します。

最後に、スプリントを開始できる準備が整っていることを確認します。

準備フェーズにおけるデザインスプリントのコンセプトによって、問題とゴール(目標)が定義され、最適なソリューションが決まります。

デザインスプリントでは、効果的であることが実証されている方法とテクニックを用い、デザイン思考を活用して、組織が次のことを行えるようにします。

  • 問題の領域をすばやく定義して、機会を特定する
  • ソリューションアプローチのアイデアを作って採用する
  • 追求するべき最適なアプローチを選択する
  • ソリューションのプロトタイプを作成してテストする

デザイン思考では、人々が行うと説明した物事や、他の人から見て行っていると思われている物事に焦点を当てるのではなく、物事を行っている実際の方法に基づいてデザインを作成することに焦点を当てます。

チームメンバーは自分のデバイスを手放し5日間一緒に集まり、集団の創造性を解き放たなければならないクリエイティブな共同プロセスです。チームは課題にフォーカスしながら、革新的なアイデアとソリューションのアプローチを導き出します。

では、準備フェーズはどのように計画すればよいでしょうか。

プロジェクトはそれぞれ異なるため、準備フェーズも異なります。準備フェーズは毎回、状況に合わせて調整する必要があります。

Pega Communityに準備フェーズの計画に役立つドキュメントがあります。

ただし、どの準備フェーズでも実行するべき重要なタスクがいくつかあります。たとえば次のことです。

  • まずプランを立てます。焦点を当てる必要のあるマイクロジャーニーは何ですか。それによって、準備フェーズに必要な期間が決まります。どのくらいの事前作業が必要ですか。いつから開始する必要があり、開始する前にどのようなことを整えておく必要がありますか。準備フェーズで達成する必要があるその他の目標はありますか。
  • 準備フェーズに参加する人を確定します。プロダクトオーナーすなわち意思決定者は特定されていますか。ユーザー代表者は特定されていますか。その人は日常業務から解放されていますか。
  • すべての利害関係者が署名したアジェンダを作成し、すべての参加者が自分が参加する必要のある場面とタイミングを完全に認識できるようにします。
  • 最後に、必要なロジスティクスを手配します。フライトや宿泊は必要ですか。ホワイトボードや書き込める壁面には十分なスペースがあり、共同作業を促進するような適切な作業スペースを予約していますか。

これらのタスクについては、このレッスンでさらに詳しく定義します。

プランを作成するときに、準備フェーズの1日目をスケジュールどおりに開始できるように、あらゆるものの準備を整える時間を十分に取ります。

準備フェーズを開始する前に、チームメンバーを特定し、チームのロジスティクスを手配して、必要なすべての調査が完了していることを確認する必要があります。デザインスプリントを実施する場合は、事前の調査ではユーザーエクスペリエンスデザイナーとエンドユーザーが直接やり取りして、アンケートを実施したり、データを分析したり、フォーカスグループを実行したりします。

このステージでは、目的について合意済みで、Minimum Lovable Productが定義されている必要があります。

次に、チームを招集します。早い段階でデザインスプリントのファシリテーターを選び、すべての事前作業とロジスティクスの手配が完了していることをその人が確認できるようにします。たとえば、適切な部屋は予約されていますか。

準備フェーズをどのくらいの期間にして、どこで行うか合意を取ります。このようにすることで、アジェンダを確定でき、チームに招待を送信して日程を空けてもらうことができます。

最後に、デザインスプリントでのプロトタイプ用に適切なツールを選択します。Pega App Studioは、プロトタイピングに使用するデフォルトのツールです。

良い準備フェーズには、このようなデリバリーに焦点を当てたセッションが含まれます。多くのトピックを1つのセッションに組み合わせてもかまいませんが、別のセッションにするのが確実です。より範囲の広いプログラムの一部であるプロジェクトに参加していて、ガバナンス、変更手順、ツール、完了の定義がすでに整備されているかもしれません。

Pegaの準備フェーズは毎回、規模と形式が異なります。準備フェーズは、通常は1週間から2週間です。最短で2日、非常に大規模なプロジェクトでは3週間かかることがありますが、厳密なルールはありません。最初の本番リリースでは、Pegaのout-of-the-box機能にフォーカスし、小規模なMLPを明確に定義しているはずです。そのため、このリリースでは、短期間の準備フェーズしか必要ではありません。

Pegaは、各日のアジェンダテンプレートを使用して準備フェーズのアジェンダの作成を簡単に行えるようにしています。テンプレートはPega Communityにあります。このテンプレートは、準備フェーズの具体的な目的に合わせて修正できます。

では、どのような人が準備フェーズに参加する必要があるのでしょうか。

参加する人はプロジェクトによって変わりますが、確実に成功につながる要因となるのは、適切な人に関与してもらうことです。

エンドユーザーと業務部門の担当者は、最初から最後まで重要です。業務部門が求めているニーズをチームメンバーが深く理解していれば、プロジェクトでよりよい成果をもたらす可能性が高いでしょう。

この円形図は、デザインスプリントに最もふさわしいスキルと、準備フェーズの派生的な活動に参加するサポート役をその下に示したものです。チームは、サイズや複雑さに応じて拡大・縮小できます。

この図のオレンジの円は、業務部門からのチームメンバーを表します。黄色の円は、Pegaまたはパートナーのリソースを表します。エクスペリエンスデザイナーは、組織に依存していない可能性があります。

準備チームとして最も成功するのは、部門の垣根を越え、非常に協力的で、全体としての成功に一緒に取り組むチームです。 

次のレッスンでは、スプリントチームに含める人を紹介します。

アイデア出し:デザインスプリントを実施する

デザインスプリントは、顧客と一緒にデザイン、プロトタイプの作成、アイデアのテストを行って重要なビジネスの質問に答える、5日間にわたるデザイン思考プロセスです。プロジェクトが単純である場合や、明確に定義されている場合、または直接的な解決策が必要な場合は、デザインスプリントは不要だと判断してもかまいません。デザインスプリントは複雑な問題や大まかにしか定義されていない問題を解決するのに最適です。

では、デザインスプリントではどのようなことが行われるのでしょうか。

1日目は、解決する問題を示したマップを作成します。2日目は、その問題の解決策として考えられることをスケッチします。3日目は、2日目に作成したスケッチの中でどれが最適なソリューションか決定します。4日目は、チームでプロトタイプを作成します。5日目は、そのプロトタイプをエンドユーザーの別のグループに見せてフィードバックを得ます。プロトタイプを作成して、テストし、そこから学びます。

デザイン思考は、業界標準の手法を利用しているPegaの手法の中核をなしています。Pegaのアプローチは人を中心とした、反復的で、専門分野の垣根を越えたものです。エンドユーザーや顧客との共感を生み出します。状況はそれぞれ異なります。Pegaを利用すると、速やかに作業を進めて、速やかに学び、反復できます。チームは、エキスパートを活用して変革を促進できるように構成されます。  

デザインスプリントに参加する必要がある人をさらに詳しく説明します。

プロダクトオーナーすなわち意思決定者は、最も影響力があり、意思決定ができている人です。上司や経営者、製品担当副社長やCEOであることが多いものの、必ずしもそうとは限りません。場合によっては、カスタマーサービスの責任者、リードエンジニア、セールス担当経営幹部がこの役割を担うこともあります。最も重要なのは、その人はこれから解決しようとしている問題に明らかに直面している人であることです。

エンドユーザー代表者は、デザインスプリントにおいてエンドユーザーや顧客の声の代弁者となり、プロダクトオーナーと顧客との間で日常的に集中したやり取りがなされていない場合は、特にこの担当者が重要になります。エンドユーザー担当者は、顧客が直面しているまさにその問題を正確に特定するための人です。エンドユーザー担当者を少なくとも1人入れることをおすすめします。2人いるとより効果的です。

ファシリテーターはスプリント中に、その部屋で行われる活動をコントロールします。ファシリテーターの主な役割は、チームが5日間のスプリントを積極的なペースを保ちながら進められるようにすることです。ただし、ファシリテーターはスプリントの前後も参加します。ファシリテーターは、スプリント実施前の必要な作業がすべて完了していることと、最適なメンバーが招集されていることを確認します。つまり、適切なPegaのチームメンバーがスプリントチームに参加していること、業務部門が適切な知識を持った人を派遣していること、エンドユーザーが入っていることを確認します。スプリントチームの1人をファシリテーターとして指名してください。ファシリテーターは自信を持ってミーティングを主導し、その場で議論をまとめ上げることができる人である必要があります。

多くの場合は、エクスペリエンスデザイナーがこの役割を果たします。

デザインスプリントでは、アイデアの視覚化も多く必要です。デザイナーは、単にアプローチを伝えるだけではなく、その表現を助長するように手助けするためによく頼られます。デザイナーはすばやく物事の見栄えをよくしてくれるので、スプリントプロセスにデザイナーに参加してもらうことが重要です。

業務部門の対象分野の専門家、ビジネスストラテジスト、マーケティングストラテジストは、製品を説明してマーケティングできます。これはプロトタイプの外観や機能と同じように重要です。そのイノベーションやプロトタイプで現状がどのように変わるのか、ソリューションがビジネス上の成果にどのように沿ったものであるかを、チーム内の誰かが明確に説明できるようにします。

テクノロジー企業でなければスプリントを実施できないというわけではありませんが、テストするプロトタイプの大部分では、何らかのエンジニアリング能力が必要です。チームに参加しているPegaのリードシステムアーキテクトは、チームがApp Studioを使用してプロトタイプを構築できるようにサポートします。プロトタイプをPegaで作成しなかった場合、LSAがスプリント後にそのプロトタイプをPegaに組み込むように再構築します。また、LSAはデザインスプリントチームと実装チームの間の引き継ぎを効率よく進められるようにメモも作成します。

上級ビジネスアーキテクトは、プロトタイプを作成する際とソリューションを機能するアプリケーションに変える際に重要な役割を果たします。

デザインスプリントチームには入りませんが、Pegaのシステムアーキテクトは、スプリントチームの一般のメンバーとして活動します。同時に、デザインがPegaのout-of-the-box機能に向かうようにサポートもします。プロトタイプの作成では、デザインスプリントのペースに追いつくためにさらなる支援が必要になることがあります。1人以上の上級システムアーキテクトがそれをサポートします。

チームを招集したら、デザインスプリントを始められます。

ファシリテーターは毎日、その部屋で行われる活動をコントロールし、すべての事前作業が完了していることを確認するとともに、デザインスプリントに取り組むのに適した広い部屋を確保します。チーム全員が5日間同じ部屋にいて、ホワイトボードや壁に書いたことを翌日にもそのまま残せることが重要です。全員がノートパソコンも携帯電話も使わない、部屋に何のデバイスも持ち込まないというシンプルなルールに従って丸5日間参加する必要があります。部屋にいる全員が活発にやり取りしながら協力し合うのが望ましいといえます。休憩中にデバイスを使用することや、デバイスを使用するために部屋を出ることは可能ですが、部屋の中では使ってはいけません。

1日目は、顧客のエンドツーエンドのジャーニーについてのマップを作成して、そのインプットとなる情報をエキスパートに尋ねることに集中します。まず、最終地点から議論し、この5日間の目標について合意します。問題についてのマップの作成から始めて、1週間で問題の全部を解決するのか一部を解決するのかを決めます。

2日目は、各チームメンバーが問題の解決策をスケッチします。ソリューションをスケッチする前に、少し調査を行い、その問題に対して類似したソリューションを提供している他の製品や業界の例を提示します。これらのアイデアは、ライトニングデモで他のチームメンバーに紹介します。デモはたいてい、最適なソリューションに向かう方向に導きます。ライトニングデモの間は、デバイス不使用のルールを破ってもかまいません。

3日目は、チームがさまざまなテクニックを活用して、ソリューションスケッチのうち最も有力なアイデアがあり、1日目に設定した目標を達成できる可能性が最も高いものを決定します。誰でも、チームでプロトタイプを作成するべきだと思うアイデアに投票するチャンスがあります。そこでは意思決定者が重要な役割を果たします。最有力のアイデアが決まったら、プロトタイプの作成に移る前に、最も優れたアイデアをすべてつなぎあわせたストーリーボードを作成します。

4日目は、そのストーリーボードを実際のプロトタイプにします。そのために、Pega App Studioを使用します。

Pegaのout-of-the-boxの機能をベースとして使用し、Live UIですばやく構成します。チームが分かれて、ユーザーはケースのユーザーインターフェイスを変更し、テクニカルチームのメンバーはフローを変更することに注力し、デザイナーはグローバルUIアセットに取り組みます。

4日目は、サポート役のデリバリーチームメンバーが支援できる場面です。4日目でもそれより前でも、テクニカルリソースはベースケースの構成に取り組んではいけないというわけではありません。

5日目に、プロトタイプが5人から7人のエンドユーザーに引き渡されます。チームはそれらのエンドユーザーがプロトタイプを使ったときの反応から学びます。エンドユーザーのテストを遠隔地から観察してもかまいません。テスターに思いついたことをそのまま言ってもらい、何を実行しようとしているか、プロトタイプをどのように操作したかを説明してもらいます。その結果によって、顧客が直面する可能性がある課題、混乱を招きそうなこと、気に入ったこととその理由を理解します。

1時間から90分かけて、主な発見事項と推奨事項を要約して報告します。15分かけて、プロトタイプの中で注意が必要な部分があればその優先順位を付けます。

テストで学んだことに基づいて、いくつかの選択肢があります。学んだことに基づいてデザインを反復して修正するか、プロトタイプを完全に却下するか、開発フェーズに移行するかです。

デザインにさらにイテレーションが必要だとチームが感じる場合は、開発が始まる前か開発と並行して行うことができます。

ソリューションやプロトタイプに対するイテレーションが数日しかかからないこともあります。これをミニデザインスプリントといいます。ミニデザインスプリントのそれぞれに対して、最終状態の目標を設定する必要があります。デザインの後続のイテレーションは、すでに作成済みのプロトタイプに適用する必要があります。

開発フェーズに移行する場合は、Pegaのプロトタイプを再構築します。

次のレッスンでは、DCOを用いてプロトタイプの構築をサポートするバックログを作成する方法、開発フェーズに先立って2スプリント分のユーザーストーリーを作成することにフォーカスする方法について学習します。

次の問題に答えて、理解度をチェックしましょう。


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